デビットカードの審査は信用情報が悪いと落ちる?
デビットカードの利用履歴が悪いと信用情報に傷がつく?
今回の記事では、このような疑問にわかりやすく回答する内容となっています。
本記事でわかる内容
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デビットカードと信用情報の関係
信用情報とは
デビットカードと信用情報の関連を見る前に、まずはそもそも信用情報とは何か、といったことについて確認します。
信用情報とはざっくりといえば、クレジットカードやローンの利用状況がわかるものです。
これまで利用した金額や返済の履歴がわかりますので、文字通り、その人のお金に関する信用がどの程度あるのか?といったことがわかります。
クレジットカード会社や銀行は、こうした情報を見ることで、その人にどこまでお金を貸せるかや新たにクレジットカードを発行してもよいかなどの審査に使っています。
個別の金融機関も利用者の情報は持っていますが、CICやJICC、KSCCといった外部の信用情報機関が保有する信用情報を参照することで、自社以外での信用を確認することができるとなっています。
デビットカードの発行審査では信用情報は見られない
デビットカードを新たに発行するときに信用情報が見られるのか?という本題ですが、結論から言えば見られることはありません。
デビットカードとは、クレジットカードのような見た目もしていますし、クレジットカードのようにネットショッピングや実店舗での買い物に使うことができます。
クレジットカードの新規発行を申請した場合は、カード発行会社は信用情報を参照して審査を行いますが、デビットカードの場合はこのような審査はありません。
その理由は、デビットカードとクレジットカードで支払い方法が大きく異なるかです。
デビットカードと信用情報が関係ない理由
クレジットカードが「後払い」であるのに対してデビットカードは「即時払い」です。
クレジットカードは、利用者の代わりに商品やサービスの購入金額を一時的に肩代わり(翌月など)してくれます。利用した金額は翌月などに返済するかたちになります。
一方で、デビットカードは紐づいている自分の銀行口座から即時でお金が引き落とされます。つまり、カードを介して支払いは行いますが、実質的には現金で支払っているようなものなのです。
金融機関がわざわざ信用情報を参照して審査を行うのは、「この人にお金を貸しても本当に返してくれるだろうか?」という背景があるからで、もしお金を貸さないのであれば、特に信用情報を見る必要は無いのです。
金融機関独自の審査基準はある
ただしデビットカードを発行する場合でも、それぞれの金融機関(銀行)の独自の審査基準は存在します。
有名な例で言えば次のようなものがあります。
デビットカード発行の審査に落ちる例
(信用情報以外)
- 取引銀行の過大な借り入れや債務不履行(延滞)
- 銀行口座が凍結されたことがあると落ちる
- 警察のブラックリストに載ったことがある
銀行はデビットカードを発行するときに信用情報を参照していないと書きました。
これは確かにそうなのですが、信用情報を見なかったとしても、もし、デビットカードの発行を申請した銀行から過大な借金があったり延滞などをしている場合は、デビットカードの発行の審査に落ちるといった場合があります。
このような場合は「総合的な判断により、今回の発行を見送らせていただきました」などの回答をされます。
また取引口座が凍結されたことがある場合なども同様です。例えば、オレオレ詐欺など特殊詐欺に利用されていると警察が判断した場合は、銀行が口座を凍結することがあります。
このような口座凍結をされたことがある人はデビットカード発行の審査にも落ちてしまうことが知られています。
▼関連記事
ブラックリストに載ると口座が止まる?新規開設できない?デビットカードの利用規定と信用情報
デビットカード関連で信用情報が関わってくる場合
これまでは基本的にはデビットカードと信用情報は関係がないという話をしてきましたが、例外的に、デビットカードと信用情報が関係があることがあります。
立替機能がついているデビットカードは信用情報を見られる
デビットカードの発行審査では、信用情報を見られることは基本的にはありませんが、例外的に立替機能があるデビットカードは信用情報を見られます。
立替機能とは、デビットカードでの買い物に対して、預金残高が不足している場合に銀行が自動的に立て替えてくれる機能のことを指します。
立て替えた金額は、残高不足が発生した日から毎日引き落としがかかりますが、SMBCデビットなどの場合は最大60日まで返済を待ってくれます。
これは実態としてはクレジットカードやカードローンと同様にお金を貸しているようなものです。
このような機能を持ったデビットカードの場合は、発行時に信用情報を見られる場合もあります。
▼立て替え機能を持ったデビットカード全てを完全網羅して解説している記事です
デビットカードで現金化│立て替え・後払い機能つきカード紹介残高不足で銀行が立て替えると信用情報に傷がつく
デビットカードは基本的に発行するときも利用するときも信用情報に関係ありませんが、立て替え機能を使って返済をしなかった場合は、信用情報に影響があるときがあります。
さきほどすでに紹介したSMBCデビットカードの場合は、不足分を立て替えた場合は60日までは待ってくれますが、60日が経過しても口座に不足分の入金がない場合は、強制的に会員資格を剥奪されます。
強制退会をさせられると、信用情報に傷がつきクレジットカードが発行できない、カードローンが組めないといった事態になります。
立て替え機能をもったデビットカードの場合はこのようなことも起こりますので注意しましょう。
デビットカードとクレジットカードの違い
ここではデビットカードとクレジットカード違いについて、改めてまとめています。
クレジットカードと違い即時に引き落とし
デビットカードは、クレジットカードと違って利用時は即時引き落としです。
つまり紐づいている銀行口座の預金残高から、買い物に利用した金額がその場ですぐに引き落としがかかります。
反対に、クレジットカードの場合は、利用時に一括返済、分割払い(例:6万円を1万円づつ半年かけて返済)などを選択して、返済していきます。
デビットカードの発行には基本的に審査はない
デビットカードの発行には審査が無いものも多数あります。
すでに見た点ではありますが、デビットカードの場合は基本的には自分の口座から引き出しして使うのと代わりませんので
キャッシュカードを発行するのに審査がないのと同様にデビットカードもありません。
また18歳未満の未成年でも発行できるようになっています。
一方でクレジットカードの場合は必ず審査があり、18歳以上の成年ではないと発行できず(親権者の同意があれば可能)、カードごとの発行条件(年収など)に合致する必要があります。
デビットカードは銀行が発行
デビットカードとは銀行口座の発行に紐づいています。つまり銀行が発行することになっています。
一方でクレジットカードは、銀行(メガバンク、地方銀行、信用金庫)も発行しますが、スーパーや百貨店、コンビニなどの運営会社やJRなどの鉄道会社などが発行するものもあります。
クレジットカードの場合は還元されたポイントを運営会社のグループ、例えば系列の百貨店やスーパーなどで使えるなどの特色があります。
割引やポイント還元があるカードはクレジットカードのほうが多い
クレジットカードのほうがデビットカードよりもポイント還元や優待機能が強いと言われています。
利用金額に対して0.5%~1%はポイント還元がつきますが、このような還元機能を持っているデビットカードはあまり多くありません。
イオンのデビットカードは0.5%のポイント還元があり、楽天銀行デビットカードは楽天クレジットカードと同様に1%の還元率があります。
このようなデビットカードはあまり多くはありませんが、できればこのような還元機能を持っているカードを使いましょう。
クレジットヒストリーは育たないが銀行の評価があがることも
クレジットカードは、継続的に利用してしっかりと返済すれば信用情報(クレジットヒストリー)は上がりますが、デビットカードは基本的には信用情報とは無関係です。
自分の口座からお金を引き落として使っているだけですので、当たり前といえば当たり前でしょう。
しかし、デビットカードでも、その口座の銀行であれば、利用し続けていることで総合的な評価が上がり、銀行系のクレジットカードの新規発行などを新たに申請する場合はプラスに働く場合があります。
デビットカードのメリット
最後にデビットカードを使うメリットをまとめておきます。
使いすぎを抑制できる
デビットカードのメリットの一つとして、使いすぎを抑えることができると言われています。
逆にクレジットカードは、自分の手持ちが無くても買い物ができてしまう分、翌月の請求を見てビックリしてしまう、という人もいますが、デビットカードはこのようなことがありません。
単に現金払いを辞めてスマートに支払いたい、という目的だけであれば、クレジットカードではなくデビットカードを使ったほうが使いすぎる、というリスクを抑えることができます。
本人確認のための資料として使える
デビットカードの2点目としては、本人確認の資料として使える点です。
健康保険証や銀行カードも本人確認書類として使えることがありますが、デビットカードも同様に同じく利用できることがあります。
クレジットカードを持っていなかったり、その他に本人確認書類を持っていない人はデビットカードを作ることで本人確認書類として使うことができます。
借り入れに関する総量規制や事故情報のルールが適用されない
カードローンなどでお金を借りる場合は、総量規制というルールが適用されますが、デビットカードの場合はこれが適用されません。
総量規制とは、年収の3分の1以上を借り入れることができない、というルールです。
デビットカードの場合は、基本的には後払い機能が無いので当たり前だろう、と思われるかもしれませんが、デビットカードでも立替機能/後払い機能があるカードもありますので興味があれば一度見てみるのも良いでしょう。
総量規制と似たような話ですが、事故情報、つまり、信用情報に延滞や異動などのステータスがついてしまっていて、いわゆるブラックリストに載っている人もデビットカードは作ることができます。
上記の関連記事でも詳しく書いているのでぜひ御覧ください。